連帯保証債務の「見えない相続リスク」—保険募集人が押さえるべき連帯保証債務の知識(後半)ーたった3分で読める【法人保険提案】HELLO通信

▼連帯保証債務は相続財産となる
被相続人が連帯保証人だった場合、その保証債務は民法896条により遺産として包括承継されます。
遺族が事実を知らなければ、気付かぬまま債務を負いかねません。
相続開始を知った日から3か月の熟慮期間内に相続放棄または限定承認を選択しない限り単純承認とみなされ、結果として連帯保証債務は相続してしまうという事態が起こり得るわけです。
また連帯保証債務は原則として相続税の債務控除対象外で、節税効果も期待できません。
負担を回避するには、生前から借入残高証明書や保証契約書をファイル化し、家族と共有しておくことが重要です。
死亡後は
①信用情報機関(CIC・JICC・全銀協など)への開示請求
②家や事業所の契約書類の確認
③PC・スマホ内データの検索を行い、保証の有無を特定する必要があります。
▼経営者保証に関するガイドライン
「連帯保証債務」については、経営者による思い切った事業展開や事業再生、事業承継を妨げる要因になっており、これらの課題の解決策として、全国銀行協会と日本商工会議所が「経営者保証に関するガイドライン」を策定しました。
「中小企業、経営者、金融機関共通の自主的なルール」という位置づけである為、法的な拘束力はなく、経営者保証を解除するかどうかの最終的な判断は、金融機関にゆだねられます。
法的な拘束力はないものの、実際に金融機関で勤務経験がある私の意見としては、基本的にこのガイドラインが経営者保証を外すかどうかの主要の判断材料になっていました。
具体的には下記の3要件を将来に亘って充足する体制が整備されていることが判断材料とされています。
1)資産の所有やお金のやりとりに関して、法人と経営者が明確に区分・分離されている
2)財務基盤が強化されており、法人のみの資産や収益力で返済が可能である
3)金融機関に対し、適時適切に財務情報が開示されている
保険募集人としては、このガイドラインに則って「連帯保証」を解除できないかという目線が必要です。
▼連帯保証債務リスクに生命保険で備えよう
会社の借入は社長急逝後も残り、連帯保証債務として遺族や会社に一括請求が及ぶリスクが生じます。
生命保険で返済資金を準備しておけば即時弁済が可能となり、信用低下や事業停止、家族資産の喪失などを回避できます。
経営者の方に「連帯保証債務」の怖さを正しく伝えて、リスクマネジメントの提案をしていきましょう。
次回は『役員借入金についての理解を深める』にて、2回に分けてお送りしていきます。
楽しみにしていてください!
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