前回は「法人保険に財務が必要な理由」「決算書の歴史」をお伝えしました。
今回は「決算書の全体像(後半)」をお届けします。
▼保険提案に必要な4つの書類
保険提案においては、「貸借対照表」・「損益計算書」・「キャッシュフロー計算書」・「別表」・「勘定科目内訳書」の4つを理解しておけば大丈夫です。
▼貸借対照表
貸借対照表は、企業の「ある日」の資産と負債を示すものです。会社にいくら価値があるのか、いくら借金があるのかが分かります。資産は会社が所有する物やお金で、負債は借金や未払いの請求書なども含まれますね。そして、その差が「資本(=純資産)」ですね。資本(=純資産)は株主のお金や利益の積み立ての事を指します。
▼損益計算書
損益計算書は企業の「ある期間」の収入と費用を示すものです。要するに、その期間でどれだけもうけたのか、どれだけ費用がかかったのかを見ることができます。売上高、売上原価、営業費用、利益といった項目が出てきます。最後に税引後当期純利益が出るわけですが、これは会社の実質的な利益を示すものです。
▼別表
別表は、決算書の補足情報を提供するものです。契約情報や税務情報、資産の評価方法などがここに記載されます。特に注目したいのが、「別表2」という書類です。これには、株主の情報と、株主がどれだけの株を持っているかが書かれています。つまり、会社を誰がどれくらいコントロールしているか一目瞭然になります。例えば、ある株主が会社の大半の株を持っていて、その人に万一があったときは会社にとって大きなリスクとなる為、そのリスクをカバーする保険を提案することができます。また、株式所有割合によっては、後継者問題や事業承継に関わる保険のニーズも変わってくるため、この別表2を把握しておくと、保険提案の幅も広がります。法人保険の提案をする際には、まず別表2をチェックして、株主構成と所有割合をしっかり把握しておくことが的確な提案をするための第一歩になりますね。
▼勘定科目内訳書
勘定科目内訳書は、特定の勘定科目の詳細情報が表記されています。特に保険提案に関しては借入金の内訳書を確認し、役員借入金があるかどうかの確認が必要です。役員借入金は社長が貸し付けているお金ですから、社長にとっては債権、つまり相続財産となる為、金額によって相続対策を検討する必要があります。
法人保険を提案する際は、決算書は非常に重要ですので、最低限の知識は身に着けておきたいですね。
次回は【団体信用生命保険と定期保険の違いを正確に説明できますか?】を2回に分けてお送りします。
楽しみにしていてください!
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