「福利厚生資金」とは、従業員に対しての生命保険を活用して退職金や万一の事があった時に弔慰金の準備をする事です。
しかし福利厚生資金を具体的にご提案する前にそもそも「福利厚生」について経営者の方に説明する事、そしてどういう組織にしていきたいのかという事をヒアリングする必要があります。
前回は「良い組織とは何か」「福利厚生の定義」「福利厚生の全体像」について説明したので、今回は「トータルリワード(=総報酬)について」と「従業員の欲求レベルを理解する事」を解説していきます。
▶トータルリワード(=総報酬)について
福利厚生を提案するにあたって「トータルリワード(=総報酬)」という言葉は知っておく必要があります。
これは社員さんに対する報酬を総合的な動機付けと考えて金銭的なものと非金銭的なものをバランスよく包括した報酬マネジメントを作り出すことを意味します。
金銭的欲求だけで従業員を定着させる事は困難で、非金銭的報酬つまり給料や賞与ではない所で従業員の欲求を満たす必要があるという事です。
いくら金銭的な条件を満足できたとしても、非金銭的なところで不満があれば従業員は退職します。
もちろん非金銭的報酬は福利厚生だけではありませんが、福利厚生は一定の割合を占めていることは事実です。
▶従業員の欲求レベルを理解する事
皆さんが冬の富士山で遭難したことを想像してみてください。
その時に他の方から認められたいという欲求が芽生えるでしょうか。
もちろん答えは「NO」だと思います。
その前にまずは「生きたい」という欲求が芽生えるはずです。
この状況を表すマズローの欲求段階説という考え方があります。
人間の欲求とは「生理的欲求」・「安全の欲求」・「社会的欲求」・「承認欲求」・「自己実現の欲求」の5つの階層に分かれ、「生理的欲求」から順番に満たされていくという事です。
これは従業員マネジメントにおいても同様の事が言えます。
従業員の欲求をマズローの欲求段階説に当てはめると、以下の通りです。
「生理的欲求」→「まずは自分や家族が生活できるだけのお金が欲しいという欲求」
「安全の欲求」→「将来的に安定した仕事、安定した地位や収入がほしいという欲求」
「帰属欲求」→「気の合う仲間と一緒に働きたいという欲求」
「承認欲求」→「自社内での活躍を客観的に見て役職などで認知したいという欲求」
「自己実現の欲求」→「自分にふさわしい夢や望みを実現したいという欲求」 です。
福利厚生については「承認欲求」を満たすための手段とされますので、まずは皆様が提案する企業に所属する従業員の欲求レベルを確認するところから始めてみましょう。
次回は【福利厚生資金の積立について】2回に分けてお送りします。楽しみにしていてください!
メールマガジンでも同内容を配信中!ご登録はこちらから
*印の入力は必須です。