先月の記事までは経営者もしくは経営者に準ずる方に万一の事があった際の「事業保障対策」について説明してきましたが、今月からは「福利厚生資金」についてです。
具体的には従業員に対しての生命保険を活用して退職金や万一の事があった時に弔慰金の準備をする事です。
しかし福利厚生資金を具体的にご提案する前にそもそも「福利厚生」について経営者の方に説明する事、そしてどういう組織にしていきたいのかという事をヒアリングする必要があります。
▶良い組織とは何か
もちろん経営者の中で「悪い組織」にしたい方はいないと思います。
もちろん経営者は「良い組織」にしたいわけですが、「良い」の定義は人によって様々です。
バブルの崩壊前と後で良い組織の定義が変わってきたと言われています。
バブル以前は「ステークホルダーにとって良い組織」が「良い組織」とされていたのに対して、バブル崩壊後は「従業員にとって良い組織」が「良い組織」と言われるようになってきました。
これからご提案する経営者の方にとっての「良い組織」が「従業員さんにとって良い組織」なのかどうかを確認したうえで提案を進めていきましょう。
(従業員さんにとって良い組織を目指していないのであれば提案は困難です)
▶福利厚生の定義
中小企業が良い組織を創っていくにあたり、「福利厚生」は極めて重要な要素となっています。
福利厚生とは一般的に「従業員に提供する給料以外の報酬サービスの総称のこと」を指し、
目的は
①従業員やその家族が健康で安定してより良い生活を送れるようにすること
②従業員が働きやすい労働環境を整備して一人一人の持つ能力を存分に発揮してもらうこと」です。
福利厚生が充実している会社に入社したいというニーズが年々高まってきており、福利厚生は企業が採用するにあって備えておかなければならない必要不可欠な要素となっています。
▶福利厚生の全体像
どうしても保険募集人の方は「福利厚生=退職金」というイメージを持たれますが、福利厚生には様々な種類があります。
大きくは「法定内福利厚生」と「法定外福利厚生」に分類されます。
「法定内福利厚生」は
①健康保険
②雇用保険
③介護保険
④労災保険
⑤厚生年金保険
⑥子ども・子育て拠出金
の6つを指し、法律で定められている福利厚生です。
これに対して「法定外福利厚生」は様々な種類があり、企業によって様々です。
例えば弊社であれば、業務に関係するスキルを学ぶのであれば、外部講習の費用は全額負担しています。
また正社員については「退職金制度」も準備しています。
皆様がご提案する福利厚生資金は「法定外福利厚生」の中でも「財産形成関連」と呼ばれる分野です。
いきなり退職金積立を提案するのではなく、福利厚生の定義や必要性、全体像などを説明した上で、退職金積立する事が極めて重要です。
次回は、「トータルリワード(=総報酬)について」と「従業員の欲求レベルを理解する事」を解説します。
お楽しみに!
メールマガジンでも同内容を配信中!ご登録はこちらから
*印の入力は必須です。