前回は事業清算時に必要な資金4点
1)借入金返済資金
2)死亡退職金
3)従業員の転職準備資金
4)事業清算までの運転資金
について説明いたしました。
今回は「取崩可能資産の算出」について考えていきましょう。
取崩可能資産の算出は出来るだけネガティブに見積もることが大切です。
資産を過大評価してしまうと、「資金が足りない」という最悪の事態が発生するからです。
具体的な方法としては、貸借対照表の【資産の部】に表記されている資産を1つずつ評価していく事となります。
▼当座資産
「当座資産」とは、貸借対照表に記載される流動資産に含まれる資産のうち、換金が容易な資産の事で【現預金】【受取手形】【売掛金】【短期貸付金】【未収入金】などが挙げられます。
短期貸付金・未収入金については、換金性があるのか(回収できるのか)?を確認しておきましょう。
▼当座資産以外の流動資産
「当座資産以外の流動資産」については、棚卸資産や立替金・仮払金などが挙げられますが、こちらについても換金性があるのかを確認しておきましょう。
特に棚卸資産が多額に計上されている場合は不良在庫の可能性があり、換金できないといった事も考えられます。
▼固定資産
固定資産については、特に土地・建物などの不動産関係や機械設備などは実際に貸借対照表に記載されている金額と処分した時の金額は大きく乖離する事が多いので、正しい評価をするのであれば、専門家への依頼が必要です。
これらの点に注意して取崩可能資産を算出した上で、生命保険で準備すべき保障額はいくらになるのかを算出しましょう。
ただいずれにしても企業の状況は(特に中小企業は)日に日に変化しますので、最低でも年に1回財務諸表をお預かりしたうえで、準備している保障が現状と見合っているのかどうかを確認しておきたいですね。
次回は【福利厚生資金の提案について】2回に分けてお送りします。
楽しみにしてください!
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