4月は新年度の始まりです。
保険募集人のみなさまにとって、新たなお客さまとの出会いや既存顧客へのサービス強化、組織としての目標再設定などを見直す大切な節目といえます。
こうしたタイミングだからこそ、日々の営業活動の根幹をなす「ビジョン」と「ミッション」を改めて点検してみてはいかがでしょうか。
なぜなら、ビジョンを掲げるということは、単に理想を描くだけでなく、そこに至っていない“現状”を見つめ直す行為でもあるからです。
▶ ビジョン・ミッションとは何か
ビジョンとは「将来どのような社会や世界を実現したいか」を示す理想像です。
保険募集人であれば、「リスクに対して十分に備えられる社会をつくる」「経営者や個人が安心して将来を描ける環境を整える」などが典型的なビジョンとなるでしょう。
一方、ミッションは「そのビジョンを実現するために、何をすべきか」という“使命”です。
ただし、ビジョンを掲げるということは、同時に「なぜ、その理想がいまだ達成されていないのか」という問題意識を持つことでもあります。
「理想と現実のギャップを生む原因は何か」を突き止め、その解決策を具体的な行動として示すことこそが、ミッションを定める際の重要なポイントです。
▶ 問題意識を深掘りし、真因を見極める
問題意識とは、「現状のどこに不都合や不安があり、それをどうにかしたい」という思いを指します。
たとえば、老後資金不足や企業の事業継続リスクなど、さまざまな懸念があるでしょう。
ここで大切なのは、原因を表層的な部分だけで捉えずに、より深く掘り下げることです。
「お金の教育機会が少ない」「保険・資産形成の情報が正しく理解されていない」「経営者が後継者問題を先送りにしてしまう文化がある」――このように根本原因(真因)まで把握してこそ、問題意識を正確に捉えられます。
もし真因を見誤ったまま対策を打とうとしても、的外れなアプローチになってしまうかもしれません。
▶ ミッションは真因を解決するための使命
深掘りの結果、「保険や資産形成に関する正確な知識を得る機会が限られている」という真因が判明すれば、保険募集人としては「ライフプランセミナーの開催」「経営者向けリスクマネジメント勉強会」などをミッションに掲げることができます。
これは単なる商品提案を超えた活動ですが、真因を解決して初めてビジョンが実現できる、非常に大きな意義をもつ取り組みです。
お客さまが本当に抱えている問題を正面から捉えるからこそ、長期的な信頼関係を築くことにもつながります。
次回は『ビジョン・ミッションを掲げる意味とは?~問題意識を深掘りし、真因を解決する重要性~(後半)』にて、「ビジョン・ミッションを持つメリット」についてお届けします。
楽しみにしていてください!