前回は、「保険解約に伴う法人税負担とその回避策」と「短期的な対策の限界と長期的な出口戦略の必要性」について解説しました。
今回は「解約がもたらす財務改善効果」と「リスクマネジメントの重要性」について説明していきます。
▶解約がもたらす財務改善効果
全損保険を解約することで、企業の財務指標を改善し、金融機関からの評価を向上させる可能性があり、具体的には以下の効果が期待されます。
- 自己資本比率の向上
解約返戻金を資産に計上することで総資産が増加し、自己資本比率が改善します。
この比率の向上は、企業の財務健全性を示す重要な指標となり、金融機関からの信頼性を高めます。 - 流動比率の改善
解約返戻金が流動資産として計上されることで、流動負債に対する資産の割合が高まり、短期的な資金繰り能力が向上します。 - キャッシュフローの増加
解約返戻金が現金として企業に流入することで、事業運営や新規投資、債務返済に充当可能な資金が確保されます。 - 純資産の増加
解約返戻金が益金として計上され、結果的に純利益が増加することで、企業の純資産が向上します。
これにより、負債とのバランスが改善し、財務健全性が高まります。 - 固定長期適合率の改善
長期的な資金調達の健全性を示す固定長期適合率が改善され、財務の安定性がさらに強化されます。
▶リスクマネジメントの重要性
全損保険の解約は、企業の保障額が減少するというリスクを伴います。
この保障減少により、中小企業は予期せぬ事態に対する準備が不足するリスクが生じます。
経営者にとって、これらのリスクにどう備えるかが重要な課題となります。
保険解約後のリスクマネジメントでは、以下のようなアプローチが必要です。
- 代替保障の検討
解約後の保障不足を補うために、新たな保険商品で保障を準備することで、企業が直面するリスクを軽減できます。 - 財務基盤の強化
解約返戻金を活用してキャッシュフローを安定化させることで、万が一の事態にも対応できる財務体制を構築します。
保険募集人としても、経営者がリスクマネジメントの重要性を理解し、解約後に必要な対応策を講じられるよう支援する役割が求められます。
単に解約手続きを進めるだけでなく、企業の安定経営に寄与する提案を行うことで、経営者との信頼関係を深めることが可能です。
2025年問題を見据えた全損保険の解約は、企業の財務改善だけでなく、長期的な経営安定性を高める絶好の機会です。
ただし、解約に伴うリスクを軽視することなく、適切な出口戦略とリスクマネジメントを構築することが不可欠となりますので、保険募集人としては、経営者とともに解約後の持続可能な戦略を計画し、企業の安定的な成長を支援する役割を果たしていく必要があります。
次回は「あなたはどんな価値が提供できますか?」について2回に分けてお送りしていきます。
楽しみにしていてください!