前回は役員退職金の提案について、「役員退職金は将来のリスクマネジメント」「事業保障対策の延長線上にある」「退職所得と給与所得について」「手取り額がどれほど異なるのか」について解説いたしました。
今回は残り3つについて解説していきます。
▶役員退職金の目安
役員に対する退職金の支給額は、会社の規定に左右されるというより税務上損金に算入できる上限額というものが決まっていて、社会通念上もその金額を超える金額の支給は好ましいとは言えません。
顧問税理士などと相談して最終決定する必要がありますが、一般的には次の算式が適用されます。
役員退職金目安=最終月額報酬×役員在籍年数×功績倍率。これを平均功績倍率法と呼びます。
この目安は税務上損金目安として一般的によく使われますので、覚えておきましょう。
▶平均功績倍率法だけではない
先に示した平均功績倍率法は税務上損金算入できる上限額を示しています。
この目安も大切ですが、経営者がセカンドライフに必要な資金がいくらなのかという目線や経営者が会社にどれだけ貢献したのかという目線も重要です。
損金算入できる金額であったとしても、その金額で経営者の老後生活が出来なければ本末転倒です。
▶役員退職金支給における注意点
1)実質的に会社経営から退いていることが必要
退職後も実質的に会社経営の重要な地位にいるのにも拘わらず形式的に退職した形にする場合は「みなし退職」として、否認されるケースもありますので注意しなければなりません。
通例的に“実質的に退職”とみなされるかどうかは
①常勤役員が代表権のない非常勤役員になる
②取締役が監査役になる
③概ね50%程度の報酬減少等
が要件として例示されています。
これらの事からも、退職金との兼ね合いも考慮した上でどの様にその会社と関係するのかという方針を立てなければならず、一般的には非常勤顧問や監査役としてのご意見番的ポジションが適正なのではないかと考えられます。
2)正規な手続きを踏む必要
退職金を支出する場合には、取締役会及び株主総会が適正に開催されている必要があります。
適正という意味は、株主総会・取締役会の決議を実際に行なう必要があるという意味です。
形式上したことにしているだけで実際には開催されてない場合には、オーナー社長が手順を踏まないで勝手に決めたのではないかと疑われる原因になりますので注意する必要があります。
現状のリスクマネジメントとして事業保障対策、将来のリスクマネジメントとして役員退職金対策。生命保険であれば同時にマネジメントする事が出来ます。
経営者の方を生命保険を活用して、守っていきましょう。
次回は【保険営業には事業計画が必須】を2回に分けてお送りします。楽しみにしていてください!
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